コントへ捧げるラブレター

主にDVDで観たコントの感想を書きます

チョコレートプラネット「見たことない」「エンターテインメントショー」

「見たことない」

 

 だんだんハイになり言語を失っていく見たことないキャラクター、おもしろすぎる。

 


チョコレートプラネット「見たことない」

 

 意識してみれば動きも声も松尾さんでしかないんだけど、普通にみてると松尾さんじゃなくなる。だからといってこういうキャラクターが実在するという感覚も生まれない。見たことないキャラクターは実存と無のはざまに漂っているのである……。

 

 小道具、本当にすごい。特許とれるでしょ。なんか、販売してくれないかな。それか企画のプレゼント的なの。いやしかし、そんな簡単に売ってほしくない、非売品であってほしいという気持ちもあるな。

 

 わらび舞妓ちゃんより、長期的に見ればキャラクターとしてはこっちのがキャッチ―な気もする。可愛くデフォルメしたり……いや、そういうことじゃないんだよな多分。でもおはスタにも出てるし、上手いこと子供向けコンテンツとして昇華されないものか。

 


わらび舞妓ちゃんバブルサッカーに挑戦!

 

 

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 それにしても、まさかおはスタのコーナーになるなんて。「見たことないやつ工作室」、いつも録画して観てます。

 コントでは「こっちは見たことないキャラクター」ってお兄さんが説明しているんだけど、番組内では「見たことない君」なんですね。(追記:さっき録画したの見直したら、表記が変わってキャラクターの方になってました。)

 

見たことないお兄さん「(グルーガンの接着剤を)パンにつけて食べる」

見たことない君「……嘘じゃん!?」

 

っていうくだりが好き。(先々週だったかな?)あと、

 

見たことない君「僕、お寿司だ~いすき!」「こんなことやってねえで寿司食いてえなあって」

 

このときの表情(ほとんど顔でてないけど)がちょっと本音っぽいのが面白かった。

 

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 テレビにでてるお笑い芸人さんって、特に子供向け番組だと、「無理して頑張ってる感」が出るんだけど(実際に無理して頑張っているから)、二人はそういうのが全然ない。呼吸するかの如く茶番にスッと入っていける能力。想像力。ただ、それがテレビ的な部分では裏目に出ている感が無いでもないけれど……。

 というのは、テレビで活躍している芸人には、コント師よりも漫才師のほうが多いけれども、それには企画に順応するよりも、企画を適度に切り裂いていく視点が芸人に求められているところがある気がする。世界観の構築よりも、世界観の破壊が。

 能力ではなく、向き不向きの問題だ。逆に言えば、テレビ的な破壊が向いていないというのは、コント師としての適性が抜群にあるともいえる。

 

 ただヒルナンデスといった主婦向けコンテンツ、おはスタみたいな子供向けコンテンツでは企画が第一なので、チョコプラは向いていると思う。毎週観れるの嬉しいな。

 

 

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「エンターテインメントショー」

 

 氷室病院といい、動きが綺麗な長田さん。体型もあってか本当にパフォーマー感がある。

 「くだらねぇー!」のツッコミでなんかすごい笑っちゃった。心の底から言ってる感じがして。

 

 素人の僕がもし、エンターテインメントショーのネタをつくるとしたら、扱えるネタが沢山あるじゃん!と思ってマジックやらトランプやら詰め込みたくなるけど、「鳩」と「箱に剣刺し」の二つでここまで面白くなるんだな。

 

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 漫才もコントも、ひたすら手数を多くするのって確かに笑いやすいしあんまりハズレないけど、こういうフォーマット自体の良さをいかに残すかって大事だと思う。

 台詞やボケの内容といったソフト面ではなく、世界観や形式といったハード面を重視するタイプのコントが僕は好き。後者のほうが思想や生活や身体的なリズム、つまりはネタをする本人らしさがよく出ている気がするから。

 

 形式が斬新すぎると舐めているとか異端だとか思われがちだけど、むしろ対象に真剣に向き合った結果である場合が多い。マヂカルラブリーもかなり変わった漫才だと思うけど、野田さんはきっとお笑いに対して真面目な人なんだろうなあと感じる。

 

 

 


『キングオブコント2019』大爆笑連発の開催決定会見!!!【TBS】

 

 松尾さんが思い出す度に催眠をかけようとする長田さん。これ、記憶喪失してるのは松尾さんの方で、長田さんは思い出させないようにとぼけてる、って構図が(結果的に)できてる。

 

 マヂカルラブリー、応援しています。幕張で観た「オーロラ」の漫才が衝撃的だった記憶。客層がファミリーと老夫妻が多いのもあって、あんまりウケてなかったが……。

 5位て。ラバーガールもDVDの副音声だったかインタビューだかで、「優勝は無理だからとりあえず決勝にいきたい」みたいなこと言ってたな。チョコプラも、「売れるための手段」とか言ってた。コント師は基本的にそういうところ冷めてるんだろうか。コントの能力と漫才の能力の違いを生むのは、性格的な部分も大きいんだろうな。コントは世界観の創造で、それは現実世界に対して程よく冷めてる、距離が取れる人の特権だ

 

 その「浮いた世界に2人(3人)だけ」っていうのが、僕の感じるコントのロマン。